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相続税と贈与税

所得税、法人税、消費税、相続税、印紙税など税務署の取扱う税の種類は様々あり、租税法律主義に基づいて定められた法の下、適正に執行されています。
私自身、国税の職場に採用された際、租税法を学ぶ中で今でも記憶に残っていることが、「贈与税は、相続税を補完する税である。」という言葉であり、確かに、税法六法を開いても、「贈与税法」は見当たりませんでした。

相続税は、相続や遺贈により財産を取得した場合に、その財産について課税されます。そこで、被相続人が生前に、配偶者や子供などに財産を贈与してしまえば、その分相続財産が減少するので、相続税がかからなくなったり又はかかった場合にも少ない税負担で済むことになり、生前に贈与し財産を分散した場合とそうしなかった場合とで、税負担に不公平が生じます。

当時は、相続税の課税されない部分を補完するために、生前贈与に対する課税措置を講じ、不公平を防止することが贈与税の趣旨であり、相続税の中において定めていると教えられたことを覚えています。
その一方で、税理士となって、「相続税の節税に生前贈与を活用してはどうか」と将来の相続税を心配される方に提案する場合があります。
単純なのは、毎年、財産を贈与税の基礎控除110万円の範囲内で移していくことであり、複数の親族に複数年行うことにより、贈与税もかからず相続財産を分散していくことが可能です。

しかし、余命の短いことが分かっていながらの贈与には注意が必要で、相続が発生した場合には、その前3年間の相続人に対する贈与財産は相続財産に加算する定めがあるので、直前になって相続税を減少させることを目的とした財産の移転はお勧めできません。

この様に、たとえ生前贈与が非課税の範囲内であった場合でも、相続財産に加算され相続税の対象となることもあります。
いずれにしても、予測の難しい相続の発生に対して、有効な手段での対策を提案することは大変責任の重いことであることを常に思いながら、向かい合っていきたいと考えています。

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