延納と物納
「家族が亡くなり、突然相続が発生してしまった」というケースは多く見られます。
そして突然多額の相続税を支払わなければならなくなってしまったというケースも少なくありません。
このような場合に検討すべき制度として、延納や物納があります。
延納について
相続税は原則として、相続発生後10ヶ月以内に現金で納付するものです。
しかし、それが困難な場合には一定の手続きと条件のもと延納が認められます。
延納には原則として5年〜20年の延納期間が認められていますが、年3.6〜6.6%の利子税を支払う必要があります。
また、延納の期間や利子税は、相続財産に何が含まれているか、担保として何を提供できたかによって異なります。
現状では、金融機関から借入をして納税をしてしまう方が、金利負担が少なくなるケースも多いので、慎重な検討が必要です。
物納について
延納でも納付が困難な場合には、一定の手続きと条件のもと物納が認められます。
物納とは金銭の代わりに、有価証券や不動産などの物で納める方法です。
物納できる財産は、何でもよいというものではなく、国が処分するのに適したものでなければなりません。
したがって、物納は現実的な方法ではないというのが一般的です。
以下の順番で物納の対象になります。
第一順位 国債、地方債、不動産、船舶
第二順位 社債・株式などの有価証券
第三順位 動産
なお、物納する場合には、物納申請書を相続開始から10ヶ月以内に税務署に提出しなければなりません。